ドイツを歩くー3:フランクフルト(超高層ビルが建つ街)

フランクフルト駅

ベルリンから列車で入ったフランクフルトは大きな終着駅だった。

フランクフルト駅

経済、金融の中心、ドイツでも有数の大都市だという。

フランクフルト駅
フランクフルト駅

ヨーロッパの駅は街の顔として立派な表情をもっている。近代建築が失ったこうした風格のあるたたずまいは、街の印象を決定づけるものだ。

フランクフルトの超高層ビル

駅前を、少し歩くと超高層ビルが林立していた。ドイツで初めて見る異様な光景であった。大きなモニュメントはユーロ記号をEUの星が取り巻いている。ドイツのみならず全ヨーロッパの金融センターであることを示しているのだろうか。

東京なら普通の風景だが、ドイツでは大変珍しい光景だ。

フランクフルトの旧市街

10分も歩くと、突然、中世の木造の町家に囲まれた広場に出た。レーマー広場だ。

この広場だけぐるりと中世の木造建築に囲まれていた。

広場の一角に建つニコライ教会。

第二次世界大戦では、ドイツの産業、金融センターとして、徹底的に空襲にさらされ、ほぼ完全に破壊された。そのため、この広場のまわりだけ昔風に再建されたものの、あとは、どこも近代建築に立て替えざるをえなかったという。

空襲の結果、瓦礫の原っぱになったまん中にこの聖堂だけ残った写真があるので、この教会だけはかろうじて爆撃をのがれたらしい。

塔を見てゆくと、ゴシック寺院特有の尖塔アーチ、尖塔、塔を支えるバットレスなどが見え、なかなか見事なゴシック様式の建築である。

塔はいかにも古いのだが、下のほうは、古い部分と新しく作った部分が混在しており、やはり、かなり補修してなんとか現状を維持していることがわかる。

オルガンの荘重な演奏が始まり、市民たちが続々と集まりだした。

日時計のある壁。

フランクフルトはマイン川のほとりに発達した街だから、いまも大きな川をはさんで街が活動しているようだ。満月の河原の静かな遊歩道で散歩を楽しむ人々と出会った。

案内する人

 

宮武先生

(江武大学建築学科の教授、建築史専攻)

 「私が近代建築の筋道を解説します。」

 

東郷さん

(建築家、宮武先生と同級生。)

「私が建築家たちの本音を教えましょう。」

 

恵美ちゃん

(江武大学の文学部の学生。)

「私が日頃抱いている疑問を建築の専門家にぶつけて近代建築の真相に迫ります。」

 

■写真使用可。ただし出典「近代建築の楽しみ」明記のこと。