フランクフルトから列車で40分ほど、ハイデルベルクの駅に着くはずであったが、途中、平行する列車の故障で3時間遅れて到着。
ハイデルベルクの駅舎は近代建築であった。
駅正面、古都ハイデルベルクの駅舎は正面も意外なことにじつに明快なモダニズム建築であった。
駅前を見ると、さらに驚くべきことに、ウルトラ・モダンなビル(プリント・メディア・アカデミー:印刷デザイン専門学校?)がそびえていた。しかもその横にはへんなピロティが見えるではないか。
なんとビルを支えるピロティは斜めのしかも板状だった。さらにその色のけばけばしいこと。
旧市街へ向かう道路はみどり豊かな並木道であった。この両側に大学の各種施設が続いていた。ハイデルベルクは静かな大学の街だった。
いよいよ旧市街に入って行く。
旧市街はほぼこんな古い建物で埋め尽くされていた。学生向けの各種商店が多かった。
特徴のある家もあるが、この程度の変化を楽しんでいる。
大学の図書館の建築。特別デコレーションの多い石造の建築。
旧市街の中心部に近づくと観光客であふれている。
旧市街の中心、マルクト広場の聖霊教会。赤い石が使われている。
曲線を使ったきわめてユニークな形の尖塔。
広場は観光客であふれていた。レストランの店員たちは、どこも学生のアルバイトであった。
橋へ抜ける門。
ネッカー川を渡る石造のカール・テオドール橋を渡って振り返るとアーチを連ねた橋が美しい。
対岸の岸辺を歩くと白鳥が近寄ってきた。川のむこうに古城、教会の尖塔など旧市街が繪のように見えてくる。
丘の上を目指して坂道を登る。なかなか風情のある道だが、かなりの急勾配で苦しい登りだ。ここまで来る人はあまりいない。
坂の途中で振り返るとネッカー川と橋を見下ろすことができる。
坂を登りきって、「哲学者の道」へ出ると、ネッカー川とともに旧市街の全体を見渡すことができる。街のむこうにハイデルベルク城が見える。中世の街がそのまま残っているかのように見える。
ゲーテをはじめとして多くの詩人や哲学者がこの道からの眺めを楽しんだといわれているが、確かに感動的な風景だ。
ハイデルベルクでは、駅前の超モダンな建築に驚かされたが、旧市街の落ち着いたたたずまいを味わいながら、対岸の「哲学者の道」までくると、息をのむような絶景にであうことができた。
第二次世界大戦の爆撃がなければ、ドイツのいたるところにこのような街が残っていたはずだ、と思うとドイツのたどった歴史の残酷さに言葉を失う。
しかし、それは、日本も同じだったのだと改めて考えさせられるのである。
京都はこの街とおなじように爆撃を免れたのに、自らの手でビルを建て続け、古都の風景をすっかり破壊してしまった。そこに「哲学の道」もあるのだが。
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